振り返るとコロナの最中、私の外科医人生の中でもだいぶ底辺にいた頃にこのサイトは始めた。出版社はもう存在しないのでじきに手に入らなく著書を含め、この4年で世の中に向けた発信が誰かの希望になり、そこで救われる命があり、ここをきっかけとして出会いをつかみ取った多くの人たちが人生を大切に生きる様を見届けてきて、一人の臨床医として自分がやりたかったことはある程度できたのかなと、そう思う。
次の10年に向けて自身のなすべき仕事がもし変わることがあるのならば、このサイトも役割を終える日が来るかもしれないが、サーバーの契約は更新したのでまだしばらくは続けるつもりだ。ブログを長く更新していないことには理由があり、今は国益や世界の利益を考えた大きな仕事に挑戦したいと考えていることをご理解いただければ幸いである。
ただ、私の重病説も流れているようなので(笑)
近況報告を兼ねて、4日前に書いたものを期間限定で掲載する。
2024.4.16
今日も当たり前のように大変な手術があり、
いつもの通り膨大な事務作業や大切なweb meetingがあり、
コロナが明けた5年ぶりの病棟の歓迎会に出て
明日からは他院での手術と学会、講演行脚が待っている。
また桜が散って、
虎の門での10年、外科医としての20年を一つの節目として振り返った時
そこにあったものは自分と出会った人々の多くの笑顔であり、
自身が歩いてきた苦難の道など大したことがなかったと今では思える。
次の10年の目標について今は明確なビジョンがあり、
国益を考えると自分が次にやるべきことはこれだという明確な目標はあるが
それは自身の都合のみで決められるものではないので
正直なところ、身の処し方は未定である。
夢は離島で診療所などと冗談半分に語るが、
それは絶対に実現不可能な話であって、
東京のど真ん中で外科医として生き続けることに変わりはなく
次のビジョンをチームの皆にどう伝えるか
それをいつも考えている。
どのような環境にあろうとも、「努力できる才能」というのは大切で
それがどのような実を結ぶかを決めるのは、当然運もあるが
信念だと私は思う。
虎の門病院に赴任する際に
私は5年で日本一、10年で世界一という目標を掲げた。
当時のスタッフは内心苦笑していたと思うが
結果はどうであっただろうか?
医療というものは臨床にせよ、研究にせよ、教育にせよ
一人のスーパードクターがいれば成り立つものではなく、
結局はリーダーがどのようなビジョンを持ち、
どのようにチームを作り、導くか。
そこにかかっている。
いくら立派な理想論を語っても
実現可能性が担保できなければ全く意味がない。
過去に成し遂げたことや、経験はあくまでポテンシャルの目安であって
そこで未来は占えない。
未来を創るものは結局「人」であり、
そういう部分を私は大切にしたい。