当サイトをご訪問頂きありがとうございます。このページは主に肝臓・胆道(胆嚢・胆管)の悪性疾患(がん)をお持ちの患者さん・ご家族の方々に、現場の医療者側からみた視点をご理解いただき、正しい医療情報をお届けすること、また私の診療チームで治療を受けられる・治療を検討されている方へ外科治療に関する理解を深めていただくことを目的に開設しました。

肝臓・胆道のがんは一般的に悪性度が高く、治療が難しいがんに分類されます。それに立ち向かおうとする患者さんにとって最も問題となるのは「情報の格差」です。現在、巷には「がん」についての様々な情報があふれています。しかし、患者さんにとっては何が正しく、何が間違っているのか。どの医療機関にかかってどのような治療を選択すればよいのか。限られた時間の中で判断する手段がないのも事実です。私はこれまでの外科医人生の大半を肝臓外科医療の進歩のために捧げてきましたが、肝がんや胆道がんに対する「夢の治療法」はいまだ存在しません。しかし、適切な治療を、適切なタイミングで、適切な方法で行うことができれば、根治または長期生存を期待できる方が多数いらっしゃるのも事実です。がん診療の前線で闘う我々の本音や考え方をぜひ知っていただき、皆さんが誤った情報に流されることのないよう、基本的な道標を示せればと思っております。

医療者と患者は対等の関係ではありません。そこには圧倒的な情報の格差、病を治療する側と病を抱える側との強者・弱者の関係があります。私が臨床医として目指すものは世界のがん医療の底上げと均てん化であり、医療に対するリテラシー(正しい知識・理解)の差を生み出す原因となっている患者さん側の情報のギャップを少しでも埋めたいという思い、そしてこれから治療を頑張っていこうという方々の不安を少しでも取り除く材料が提供できればという思いが当サイトの原点です。

このページは私自身の外科医としてのポリシー、実績、診療チームの体制に関する紹介部分を含んでおりますが、特定の医療機関や治療法への誘導を目的としたものではないことをまずご理解下さい。あくまで私個人のページです。また、治療の選択や考え方については、典型的ながんに対する「標準治療」の考え方と、通常の治療が困難な進行癌や高難度手術に関する私自身の考え方の双方を記載しておりますので、他の医療機関や医師の考え方とすべてが合致するものではないことをご了承ください。私のチームで治療を希望される場合でも、現在の主治医とよく相談の上、検討してください。

現実の世界はテレビドラマとは違います。同じがんに同じ医者が同じ治療を行ったとしても、その経過は人それぞれであり、筋書き通りにはいきません。私たちがん診療に携わる医師の役割は、患者さんとともに考え、ともに悩み、持てる知識と技術を駆使して、最も可能性の高い方法で社会復帰の手助けをすることにあります。スーパードクターや神の手などいません。医者の間に差があるとするならば、医療に対する思いとセンス、経験値の差です。当サイトが、がんと闘う皆様の一助となることを願っております。

進藤 潤一