今年は個人的なアカデミアの活動に関しては±0という感じであったかと思う。
生産性のない時間を長く過ごすことを余儀なくされたことは大幅なマイナスであったが、総じて人や機会には恵まれた。新しい話はあまり出してこなかったが、海外での講演が多かったので良い意味で布石を打ってくることはできたように思う。先に備えた「準備」がメインの1年だった気もするが、オールジャパンで主導させてもらったいくつかの研究も大きな成果が得られているので、年明けからの展開が楽しみである。1月は全世界配信の単独講演が入ったし、新しい国際プロジェクトも始める。結局のところ物事はうまくつながっている。
目に見える持続的な成長がないことはフラストレーションにもつながるが、
私の師がよく使っていた
「人事を尽くして天命を待つ」という言葉が表すものは、
座右の銘でもある
le hasard ne favorise que les esprits préparés
そのものだと最近よく思う。
臨床に関しては、肝切除200件、膵切除120件、胆道手術350件。全体で750件前後というところで、肝胆膵外科単科での手術件数としては日本一をキープできていると思う。今年も手術関連死亡0を維持できたのでこれは世界に誇れる成績と言えよう。様々な課題はよく見えてきて、中長期的にやることも最近ははっきりしてきたので(ここには書かないが)、そちらに関しても具体的なアクションを起こしていく予定である。
一方、今年の残念だったことの一つは、私の本を出していた出版社が事業をたたんでしまったために書籍が絶版となったことである。患者さん達からはかなり好評であったので、内容はサイト上で小分けに公開する等、何らかの形を検討していこうと思う。
年末年始は少しゆっくり先を考える日々にしようと思う。