肝内胆管癌は肝細胞癌とは異なり、肝内の胆管から発生した「腺癌」とよばれるグループのがんに分類されます。肝細胞癌とはがんとしての振る舞いや特徴が異なりますので、根治的治療としてその効果が確立しているのは外科的切除のみです。進行症例で切除の適応とならない症例は全身化学療法の適応となります。
 2021年版の肝内胆管癌診療ガイドライン(14)では、「単発でリンパ節転移や遠隔転移のない症例」は切除が推奨されています。腫瘍が多発していたり、腫瘍が単発でもリンパ節転移を伴っているようなケースではその程度に応じて切除を行うか、薬物治療を行うかの選択がなされます。腫瘍が多発しており、リンパ節転移や遠隔転移を伴うケースは手術の対象とならず、薬物治療が行われます。それ以外の治療法については、緩和的な意味合いでの治療がトライされることがありますが、エビデンスが不十分で標準治療にはなっていません。

文献
14) 日本肝癌研究会編. 肝内胆管癌診療ガイドライン2021年版, p12, 金原出版, 東京, 2021.

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