(出版時の本文)
胆嚢癌の術後に補助的に化学療法を追加すべきかどうかは施設間で考え方が異なりますが、リンパ節転移があるケースなど術後再発リスクが高いケースではS-1の内服を行ってもらうことがよくあります。しかし、術後補助療法が胆道癌の予後を改善するというエビデンスは乏しく、再発を来した場合の化学療法の選択肢も胆道癌では少ないため、比較的早期のステージの癌では術後化学療法はあまり行われません。

※2025年現在、胆道癌に対しては術後補助療法に関するポジティブなエビデンスが出てきており、今後術後補助化学療法は標準治療となっていく可能性があります。胆嚢癌は膵癌と並んで悪性度が高く、実臨床では多くの症例で術後にS-1内服が行われてきましたが、当院のデータでもS-1内服を行っている症例の方が予後が有利になる可能性が確認されています。

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