必要です。これは生まれつきの異常ですので、例えば診断時30歳だとすると、30年間胆管が膵液の影響で慢性炎症おこしており、がんの発生母地としてはすでに完成してしまっています。膵胆管合流異常症の手術は症例にもよりますが、現在では腹腔鏡でも手術できるようになってきています。
 膵胆管合流異常症の方の場合、胆管が太くなければ胆嚢切除のみで経過観察となりますが、胆管が太いということは、胆管が慢性炎症により変化してしまっているということを表していますので肝外胆管を含めた切除が必要となります。また、手術で切除できるのは肝外の胆管や胆嚢のみで、肝臓の中の胆管の切除はできません。したがって膵胆管合流異常症の診断がついた場合は、手術を受けても定期的にがんのスクリーニングが必要となります。
 膵胆管合流異常症の診断がついて外科に紹介となったけれども、がんでもないのに手術は嫌だから、定期的にエコーやCTでフォローアップし、がんが疑われる所見が出てきたら治療してほしいと仰る方もいらっしゃいます。もちろんこれは確率の問題ですし、膵胆管合流異常症の発見が50代でそれまで何ともなかったという方もいます。しかし、がんになってしまったら治せる可能性は100%ではありませんし、がんになるタイミングを予想することはできません。20代で膵胆管合流異常症の手術を受け、その後1年後に肝内胆管癌を発症して亡くなった方を我々は経験しています。がんを発症してからでは根治の可能性は100%ではなくなりますので私は手術をお勧めします。

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