入院期間は概ねの目安でお話をしていますが、肝臓の手術というのは比較的簡単なものから生きるか死ぬかの大掛かりなものまでさまざまであり、その人の体力、併存疾患の有無、手術の種類、術後合併症が起こるかどうかなどさまざま要因に左右されますので、何日に入院して、何日に退院できますという確約はできません。また施設や医師の臨床のスタイルにも左右されますのでなかなか具体的な入院期間をお示しすることが難しいのが実情です。
概ねの目安として初回の手術の場合、手術から日常生活に戻れるまでの日数は、腹腔鏡下の比較的小規模の肝切除の場合は5-7日、腹腔鏡下の大きめの切除の場合は7-10日。開腹での小範囲の切除の場合は7-10日、開腹での大量肝切除の場合は14日前後と考えておくのが無難だと思います。もちろんこれは順調に経過した場合の話であり、肝硬変の患者、術後合併症で治療が必要なケースなどでは入院期間はもうすこし延びます。再肝切除の場合は手術難易度や周術期の合併症発症リスクが上がりますので、もう少し長くなるイメージです。