確かに膵癌は難しい病気です。「治癒」という意味では、本当に治る人は切除対象となる方の中にも半分いるかどうかです。しかし、手術が提案されたということはまだ生きるチャンスがあるということです。もちろん、がんの治療に100%はありません。遺された時間が1年なのか、まだ30年あるのかはわかりません。ただ、この先を変えうる選択肢を持っている方が、ダメだと決めつけてチャンスを失わないで欲しい。そう思います。
がんの診療は、それを克服したいと思う多くの医療者の日々の臨床の努力と、英知の蓄積によって、日々進歩しています。膵癌も早期発見によって治せるがんになってきています。がんという疾患の特性上、万が一に備えて先のことを考えておくことは大切です。しかし手術ができるかどうかは大きな運命の分かれ目です。あなたはまだ元気です。時間もあります。できることはまだ沢山あるし、選択肢もある。治療を続けながらゆっくり考えていくということでも遅くはないと思います。