今週中に仕上げねばならない講演スライドが7本もあるので今日は部屋にこもって仕事をしようと思っていたが、イマイチ気分が乗らないのでちょっと息抜きに何か書こうと思う。
昔からお前は生き急いでいる、ブレーキが壊れていると揶揄されるほど、私は常に何かをしていないと落ち着かない性分ではあるが、当然のことながらいつもトップスピードで走り続けられるわけもなく、止まりたくもなることもあるし、足が全く前に出ないときもある。
いろいろ行き詰った時はどこか高い場所に行く。
下から狭い空を見上げてばかりいるのではなく、上から広い世界を俯瞰してみることは重要である。
中学生・高校生の時は秋田市に住んでいたが、高いビルの展望台。とは言っても田舎だから高々12階建てのビルではあるが、いつも人はまばらで、勉強に疲れた時、行き詰った時は大抵そこに足が向いていた。人の習性はそう簡単に変わるものではなく、今でも一人になりたいときはそういう場所に出向く。ただし、仕事していないとだんだんソワソワしてくるので、仕事場ごと移動してしまうのが昔とは違うが。
この写真は自分が現在の職場に赴任して1年が経ち、臨床、研究と大抵の基盤が整った状況で、いろいろこれからのことを考えようと1週間弱ホテル暮らしをしてみたときの景色である。こうやってみると東京は広い。つまらない日々のいざこざや、ストレスもこうやって広い景色を見ているとどうでもよくなってくる。環境を変えてみることは私のストレス解消法の一つ。そろそろまたやろうかと考えている。
組織やチームをよいサイクルで動かして結果を出すために重要なのは、モチベーションの維持だと自分では思っている。結果だけを求めて尻を叩いていてもそれは教育ではない。自分が今、一番やりたいと思っていることは技術と知識の継承だ。
教育については多くの時間と人材が無駄にされるのを目の前に、機が熟さぬことをもどかしく思ってきた。これまですべてのオファーを断り、ここに残ってきたことが近い将来、自分にとって、自分と出会った人たちにとって、正しい選択だったと思える日が来ることを願いたい。