ソイラテの人

スターバックスには学生時代からお世話になっている。はるか昔、まだ時間があってUSMLEの勉強などしていた頃は、休みといえば示し合わせたかの如く同級生と池袋西口のスタバに集合し、昼前から日が沈むまで延々と勉強していたし、世界を変えたいくつかの重要な論文も、このサイトの原型もスターバックスで生まれた。

グローバルチェーンだと世界のどこで飲んでも同じ味だ。言葉の通じぬ見知らぬ土地で小腹がすいたり、国際舞台で心が落ち着きたいときも、飛行機が遅れたり、トラブルに巻き込まれてイライラしているときも、ちょっと落ち着きたいときはスタバに入っていつもの味にホッとする。

虎の門病院(旧病院)の目の前にもスターバックスがあって、手術まで時間がある時や、医局でゆっくり書き物をするときは、コーヒーを仕入れに行く。私は味にはうるさい方だ。何百杯とスタバのコーヒーを飲んできて辿り着いた答えは、ソイラテが最もコクがあって自分好みだということ。小銭入れに421円ある時は迷わずショートソイラテをチョイスする。タリーズは泡でごまかしているが、スタバはなみなみ注いでくれるので量もちょうどいい。

二親等以内に胃癌が3人もいるという濃厚な胃癌家系にありながら、42歳時点できれいな胃粘膜をもっているのはコーヒーとイソフラボンの合わせ技に他ならない(たぶん)。

かつてのスタバの店員の中には、「あ、ソイラテの人だ」とオーダーを聞く前から作り始める強者もいたし、今日は寒いからジンジャーブレッドラテだなという気分の時も、レジの店員に半ば強制的にソイラテにされたりする。曜日によっては完全に面白がられている。しかし、ルーチンというのは験担ぎでもあり、きついオペの前には、真夏でもホットのソイラテを飲んでからオペ室に行く。そういう時は大抵スムーズに事が運ぶ。今日も5件新規患者のいる中、昼休みの1時間弱でラパ肝をやりつつの午前午後の外来で忙しかったが、5時に帰れたのは朝のソイラテのおかげであろう。

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