肝がんとは?
がんはどの臓器に生じるかによって性質が全く異なり、治療の考え方も方法も全く異なります。肝臓の悪性腫瘍(いわゆる「がん」)は大きく分けて、①原発性肝癌(肝臓自体に発生するがん)、②転移性肝癌(肝臓以外のがんが肝臓に転移したもの)の2つに分けられます。通常、肝がんとは「原発性肝癌」のことを指します。治療の考え方についての詳細は以下をご覧ください。
原発性肝癌
(肝細胞癌、肝内胆管癌、その他稀な肝悪性疾患の治療の考え方はこちら)
転移性肝癌
(大腸癌、神経内分泌腫瘍、GIST、他臓器の肝転移の治療の考え方はこちら)
高度進行癌に対する集学的治療
(高度進行肝がん、多発肝転移の治療と手術の考え方はこちら)
内視鏡外科治療
(腹腔鏡下手術に関する私の実績と考え方はこちら)
胆道がん(胆管がん・胆のうがん)について
胆汁の流れ道である胆道のがんの治療を考える際には、まずその解剖から理解する必要があります。以下に示すように、私の専門領域である肝臓・胆道・膵臓は、血管や腸管が複雑に配置された領域に存在しています。重要な血管や臓器を傷つけることなく癌のみを切除し、その後の生活に支障を起こさない手術を行うためには高度の技術が求められます。特に胆管は、肝臓からの胆汁を十二指腸まで運ぶ唯一のルートであるため、切除とともに胆汁の新しい通り道を作り直す(「再建」と言います)必要があります。
胆道のがんのうち、その上流側に発生する肝門部胆管癌や上部胆管癌、胆のう癌は肝切除が必要であり、肝臓外科が専門とする領域です。一方、胆道の下流に発生する下部胆管癌や胆管の十二指腸への開口部であるVater乳頭に生じた癌(十二指腸乳頭部癌)は膵切除が必要であり、膵臓外科の領域になります。同じ胆管に発生したがんでもその位置や広がる範囲によって切除に求められる技術は異なります。
胆道癌に対する治療の考え方は以下のリンクよりご覧ください。
肝門部胆管癌・上部胆管癌・胆のう癌の治療
下部胆管癌・乳頭部癌の治療